英語の勉強を続けているのに、なかなか成長している実感が持てなくて悩んでしまう時期はありませんか。
1か月ほど必死に机に向かっても目に見える変化がないと、「自分のやり方はどこか間違っているのかも」と不安な気持ちに襲われることもあるでしょう。
でも、どうか安心してくださいね。
よほど効率の悪い学習法を選んでいない限り、あなたの英語力は水面下で着実に積み上がっています。
せっかく力が伸び始めているのに、手応えがないという理由だけで途中で投げ出してしまうのは非常にもったいないことです。
そこで今日は、どうして上達を実感しにくいのか、そのメカニズムについてお話しします。
まず基本となる知識として、学習には「明示的学習(Explicit learning)」と「暗黙的学習(Implicit learning)」という2つの種類が存在します。
分かりやすく言うと、明示的学習とは単語を暗記したり文法書を読み込んだりするように、「何を学んでいるか」をはっきりと意識しながら進める学習のことです。
この方法であれば、「今日は英単語を10個覚えた」という具体的な成果が自分で確認できるため、勉強したという満足感を得やすいのが特徴です。
しかし、ここで得た知識を実際の英会話でパッと思い出して使いこなせるかというと、なかなかそうはいきません。
また、リスニングの最中にその単語が流れてきても、瞬時に意味を理解して処理するのは難しいものです。
明示的学習で蓄えたものは、あくまで「知識」として頭にある状態で、まだ「使いこなす技術」にまで昇華されていないからですね。
一方で、暗黙的学習というのは、何かを学んでいるという強い自覚を持たずに行うプロセスのことを指します。
例えば、英文を何度も音読するトレーニングを想像してみてください。
その瞬間は、単語を一つずつ暗記しようとしたり文法の構造を細かく分析したりするよりも、ただ声に出して読むことに集中しているはずです。
このように音読に没頭している場合、「単語をいくつ覚えた」といった目に見える指標がありません。
そのため、少しずつ能力が向上している最中であっても、自分自身でその変化に気づくことができないのです。
ですが、この暗黙的学習によって身につけた感覚こそが、英会話で自然に言葉が出てきたり、リスニングで英語をそのまま理解したりする力に直結します。
話を戻しますと、上達を実感できない最大の理由は、まさにこの「暗黙的学習」の段階にいるからだと言えます。
たいていの場合、毎日コツコツと続けたとしても、自分自身で変化を確信できるのは半年や1年といった先の話になるでしょう。
それでも、決して足踏みをしているわけではなく、あなたの努力は確実に力へと変わっています。
「努力は自分を裏切らない」という言葉を信じて、まずは継続していくことが何よりも大切です。
もちろん、正しい方向に向かって進んでいることが前提となりますので、時折自分の学習スタイルを見直しながら一歩ずつ進んでいきましょう。


