初心者が英語を勉強したいと思ったとき、
何から始めたらいいか分からずに「とりあえずTOEICの勉強をしよう」
ということがよくあります。
確かに、書店に行けばTOEIC攻略用の参考書や教材が
たくさん並べられているので、自分のレベルに合ったTOEIC教材を選べば、
とりあえず英語の勉強を始めることができます。
でも、ここで気を付けてほしいことがあります。
TOEIC教材を使って勉強してTOEICの点数を上げても、
それは高校受験や大学受験のときの二の舞で、
いわゆる「試験英語」を身に付けることになってしまうからです。
試験英語を身に付けても、英会話はできるようになりません。
だからTOEICで高得点をとって就職・転職しても、
職場では何の役にも立たないことが多いのです。
そこでこの記事では、英語の初心者が仕事や
プライベートで役に立つ英語力を伸ばしながら、
TOEICを攻略できる英語力を身に付けるための勉強法についてお話しします。
■使える英語を身に付ける4ステップ
仕事やプライベートで役立つ英語力を身に付け、
しかもTOEICを攻略するには以下の4ステップをしっかりと実践することです。
- 基礎文法を復習する。
- 英作文をたくさんする。
- 英文をたくさん読む。
- リスニングを練習する。
どれか1つが抜けても、本当に役に立つ英語力は身につきません。
これから、1から4のそれぞれについて詳しく説明します。
■1.基礎文法を復習する。
「文法なんか勉強しなくても英語は身に付く」
「赤ちゃんみたいに英語を身に付けるのが正しい」、それどころか
「文法を勉強すると英会話が身につかない」
なんてことを主張している英会話スクールや英会話教材がありますが
それらはすべてウソです。
自分たちの商品を売るために、
自分たちに都合のいいことを言っているだけなので信じないでください。
確かに、小さな子供なら文法を勉強しなくても、
海外で生活して現地の子供達と遊んでいれば、自然に英語を話せるようになります。
正しい発音も自然に身につきます。
でもそれは、柔軟な脳を持っている小さな子供だからできることです。
すでに日本語が脳にインストールされている大人は、
英語を身に付けるときに、どうしても日本語がじゃまになるため、
子供のように自然に英語を身に付けることはできません。
その証拠に、海外移住して何十年も過ぎても、
カタコトの英語しか話せない人が多いことをご存じでしょうか?
また、子供連れで海外赴任した家族は、
子供だけすぐに英語ペラペラになるけれど、
親はいつまでたっても英語を話せるようにならなくて悩むことが多い
ことをご存じでしょうか?
大人になってからは、
子供とは別の方法で勉強しなければ英語は身につかないのです。
そして、大人になってから英語を身に付けるには、
最初に文法を勉強して理屈から入ることが必須なのです。
文法というのは、どのような順序に単語を並べるべきかということです。
もし文法を学ばずに正しい単語の並べ方を身に付けようと思ったら、
大量の英文を暗記して、共通するパターンを自分で見つけ出さなければいけません。
そうしなければ、正しい順序で単語を並べることができないからです。
でも、文法を勉強すると、
どのような順序に単語を並べるのが正しいかを短時間に知ることができます。
▼どの程度まで文法を勉強するべきか
まずは、中学で習うレベルの文法を一通り復習しましょう。
TOEIC 900点など高得点を狙うなら
高校レベルの文法まで勉強した方がいいですが、
初心者が英語の勉強を始めるときには中学レベルから始めるのがおすすめです。
中学レベルの文法を身に付ければ、たいていの英文は読みこなすことができるし、
英会話のときにも何でも自由に話すことができるようになります。
どのような教材を選ぶべきかは、あなたの現在の英語力によって変わってきますが、
以下を基準にして選ぶことをおすすめします。
- 説明がとにかく分かりやすい。
- 説明が簡略化されすぎていない。
- ある程度、文法用語を使って説明している。
- 中学で習うレベルの文法をすべて扱っている。
文法用語が使われていないほうが分かりやすいと思うかもしれませんが、
後々のことを考えると、基本的な文法用語を覚えておかなければ
英語学習が行き詰まってしまうことになります。
だから、分かりやすくて、しかも文法用語を使った参考書がおすすめです。
文法が苦手だからといって、
ダラダラしていたらいつまでたっても前進できないので、
1週間など期限を区切って一気に勉強しましょう。
■2.英作文をたくさんする。
基礎文法を復習したら、次は英作文をたくさん練習します。
英作文とは言っても、ノートに鉛筆で書くのではなく、
頭の中で英作文して声に出して練習します。
これを瞬間英作文といいます。
瞬間英作文の練習方法は簡単で、以下のとおりです。
- 日本語文を見る。
- 頭の中で英作文する。
- 声に出して言う。
瞬間英作文を練習するときのポイントは、以下のとおりです。
- 日本語文を見たら、あまり考えこまずに、できるだけすぐに英語で言うこと。
- 日本語文を見ながら英作文するのではなく、日本語文から目を話して英作文すること。
- 誰かに話しかけているつもりで声に出して練習すること。
瞬間英作文に使う教材には、文法単元ごとに
日本語文と英文がたくさん載っている参考書を選んでください。
文法の勉強に使った参考書でもかまいませんが、
例文の数が十分にない場合は、他の参考書も使ったほうがいいでしょう。
瞬間英作文専用の教材も販売されています。
■3.英文をたくさん読む。
TOEICの点数アップするには、英文を読む力も必要です。
英文をたくさん読むことで以下のようなメリットがあります。
- 単語力や表現力を伸ばすことができる。
- 英語を英語のまま理解できるようになる。
- (2)の結果として、リスニングも上達する。
TOEIC攻略用の問題集で英文を読む練習をするという方法もありますが、
問題集に載っている英文は面白くないのでモチベーションが下がります。
そこで、別の英文を読むことをおすすめします。
私がおすすめするのは、「ラダーシリーズ」という英文書籍です。
ラダーシリーズは、英語学習者向けに
単語数を減らして読みやすく書き直した書籍です。
上の画像を見れば分かるように
TOEICスコアや英検の級ごとにおすすめの書籍が分類されているので、
自分にちょうど良いレベルの英文書籍を選ぶことができます。
しかも、グリム童話や昔話など、読んで楽しめる書籍ばかりです。
普段の勉強では、ラダーシリーズのように
楽しみながら読める英文をたっぷり読んでおいて、
TOEICを受験する前には、
TOEIC攻略問題集の英文を読むというように使い分けるといいでしょう。
■4.リスニングを練習する。
リスニングの練習をするときも「3.英文をたくさん読む」と同じように
普段の練習とTOEIC受験前の練習を使い分けましょう。
普段の練習では、TOEIC攻略用のリスニング教材ではなく、
楽しみながら聞けるリスニング教材を使います。
また、リスニング練習は「精聴」と「多聴」に分けて行います。
▼精聴とは
精聴には、NHK英会話のように短めの教材を使います。
短めの教材を繰り返し聞き、聞き取った内容を紙に書き出して行きましょう。
オーディオを停止しながらでもかまいません。
聞き取れなかった部分はとりあえず片仮名で書いておき、
後ほど英文スクリプトを見て確認します。
精聴のポイントは、集中して細部まで聞き取るように意識することです。
また、聞いた英文を声に出して繰り返し練習しましょう。
精聴を練習することで、
英語の細部までしっかりと聞き取れるようになり、
また、単語や表現を自然に覚えることができます。
▼多聴とは
多聴には、長めのオーディオを使います。
LoyalBooksのように、
無料で英語のオーディオをダウンロードできるサイトを利用すると
お金がかからないのでおすすめです。
LoyalBooksでは、著作権の切れた世界の名作を
ネイティブがオーディに録音して、
無料で配布しています。
もちろん、英文テキストも簡単に手に入ります。
多聴の練習では、途中でオーディオを停止せずに、
最後まで続けて再生します。
聞き取れなかった部分は、前後の文脈から想像して補いましょう。
何度も繰り返し聞いた後に、
最終的には英文スクリプトで内容を確認します。
多聴を練習することで、ネイティブの英語のスピードについて行けるようになります。
■TOEIC攻略 | 初心者が確実に英語力アップする方法のまとめ
初心者が英語の勉強を始める場合、あまり考えずに、
ついついTOEICの勉強から始めてしまうことがよくあります。
でも、TOEIC攻略の問題集などを使って勉強すると、
高校受験や大学受験のときと同じように、
実社会では使えない試験英語が身についてしまいます。
しかし、この記事で説明した方法で勉強することで、
本当に使える英語力を伸ばしながら、
しかもTOEICスコアが上がるという一石二鳥を実現することができます。
使える英語を身に付けてTOEICスコアアップするために、ぜひ実践してください。
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